2011年01月13日

放射光学会 市民公開講座を開催

2011年1月13日

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会場の様子

加速器から作りだされる光の一種「放射光」を用いた研究や、放射光を作りだす加速器の開発の最前線が集う日本放射光学会の第24回年会が2011年1月7日から10日まで、つくば国際会議場で開催されました。1月9日には、これらの研究を広く知って頂くための市民公開講座が開催され、およそ200名の方にご来場いただきました。

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司会の村上洋一教授
(KEK物質構造科学研究所)


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尾嶋正治教授
(東京大学大学院 教授・日本放射光学会 会長)


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浦川順治教授
(KEK加速器第6研究系)


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岩澤康裕教授(電気通信大学)


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西島和三氏
(持田製薬株式会社医薬開発本部専任主事・東北大学 未来科学技術共同研究センター客員教授)

この講座では「放射光で迫る 物質・生命の謎」をテーマに各分野から4名の講演がありました。講演者と講演タイトルは以下の通りです。

日本放射光学会の取り組み「放射光で見る物質のしくみ」
尾嶋 正治(おしま・まさはる)氏
東京大学大学院 教授・日本放射光学会 会長
社会に役立つ放射光科学と加速器技術の最前線
浦川 順治(うらかわ・じゅんじ)氏
高エネルギー加速器研究機構 教授
放射光が解き明かす環境・エネルギー・グリーン化学の課題
岩澤 康裕(いわさわ・やすひろ)氏
電気通信大学 教授
新しい薬の創造に貢献する放射光
西島 和三(にしじま・かずみ)氏
持田製薬株式会社医薬開発本部 専任主事
東北大学 未来科学技術共同研究センター客員教授

低炭素化を進めるための燃料電池用触媒の開発や、排気ガスを浄化する自動車触媒など、環境問題に向けた研究、タンパク質の立体構造に基づいた創薬の研究、そして放射光を作るための加速器開発について最前線で活躍する研究者から講義がありました。

「日本の生きる道は新しい効率的な"ものづくり"にあるんです。そのためには、絶対に放射光は不可欠なんです。」と力強く語った日本放射光学会会長の尾嶋氏の言葉に表されるように、この講演で出てきた自動車の排気ガスを浄化する触媒や、ガンや白血病の治療薬は既に利用され、私たちの生活の一部になっています。

参加者からはタンパク質の構造解明を、病気を治すということだけでなく、健康増進、病気予防のための研究に期待する声や超伝導に関する質問がありました。最後に尾嶋氏から「日本は科学技術立国でいくしかない。そのためには国民の科学リテラシー、理解度を上げることが重要で、我々科学者はもっと分かりやすく科学の面白さを伝えることが必要です。今日は生活に役立っている分かりやすい例がいくつも出ましたが、ぜひ皆さんにこれをきっかけにして放射光に興味を持ってもらい、温かい目で見ていただければ幸いです。」とメッセージが伝えられました。