2010年09月30日

「KEK 環境報告2010」の公表について

2010年9月30日

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KEKは「環境情報の提供の促進等による特定事業者の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(環境配慮促進法)」に基づき、「環境報告2010」を作成しました。

KEKは大型加速器を中心施設とする国際的な共同利用研究機構であり、実験装置を稼動させるために大きな電力を使用しています。そのため、KEKでは独自の環境マネジメントシステムの構築に努め、「加速器及び実験装置に関する電力などエネルギー資源の使用によるCO2の排出の削減」に対して〔投入エネルギー〕対〔研究・教育等の成果〕の効率の向上、「その他の一般電力などエネルギー資源の使用によるCO2の排出の削減」に対して数値目標を掲げています。

加速器関連設備の電力消費を抑制しつつ、多くの実験成果を引き出すための努力が重要であるとの認識から、KEKでは様々な基盤技術の開発と装置の改善を実践しています。例えば、2009年度初頭から運転を開始したJ-PARCのニュートリノ超伝導ビームラインでは、消費電力を大幅に低減する超伝導加速技術が使われています。ここでは電力のほとんどが超伝導磁石を冷やすためのヘリウム冷凍機の循環圧縮機で消費されているため、この運転を制御する「節電モード」を採用し、約70トン/月のCO2排出量の削減を実現しました。

また、KEKで行われている研究からも、省資源化、省エネルギー化に寄与する成果が生まれています。例えば、KEKの放射光施設とSpring-8が共同開発した硬X線光電子顕微鏡を用いて鉄隕石組成の構造解析を行ったところ、「テトラテーナイト相」と呼ばれる合金相が局所的に存在することが初めて示されました。この宇宙由来のテトラテーナイト相は、希少金属フリーにも関わらず、極めて優れた機能性を示すことから、次世代磁気デバイスの高密度化、省電力化とともに省資源化にもつながるものです。

さらに、既設の4号館屋上に加え、2010年2月には管理棟屋上に50kWの太陽光発電設備を設置しました。職員の一般消費電力の削減目標達成キャンペーンを行うなど、職員の省エネルギーの意識を徹底しています。本報告書は、これらの取組を報告書として取りまとめたものです。

報告書は環境報告書のwebページからダウンロードしていただけます。また、読者アンケートの実施も行っておりますので、是非、ご意見・ご感想をお寄せください。
http:www.kek.jp/kankyou/