BL16:ソフト界面解析装置SOFIA

Soft Interface Analyzer


概要

異種の物質間の境界である「界面」(あるいは「表面」)は周りの環境の影響を強く受けるため原子や分子の配列が大きく変化することが知られています。そのため、界面はしばしば通常とは異なる特殊な性質を示すことが知られていて、その性質は私たちの身の回りの工業製品にも広く利用されています。
BL16 SOFIAビームラインは中性子を物質の界面に照射して、その反射する様子から界面に形成されたナノメートル(0.000001mm)からマイクロメートル (0.001mm)の非常に微細な構造を観測する装置です。この装置は、

  1. ビームを下に向けているため、液体のように傾けられない試料が測定できる。
  2. 通常は0.02%以下しか存在しない「重水素」を区別できるため、特に調べたい 箇所を重水素に置き換えることで詳細な構造を観察できる。
  3. 中性子の高い透過力を利用することで、物質内部の界面にも中性子を照射し、その界面構造を観察することができる。

などの特長があり、特に高分子などでつくられた比較的「ソフトな」物質の界面の測定を目的としています。例えば、「ポリマーブラシ」という先端材料に関する研究では、実際の使用環境である水に浸した状態での構造を観察し、塩など劣化の原因となる物質の影響を調べたりしています。
この装置はJST/ERATOの高原ソフト界面プロジェクトと共同で建設されました。

補足説明

・高分子
炭素を骨格とした鎖でできた非常に大きな分子。ビニール袋やペットボトル、プラスチックなど、幅広い工業製品に利用されている。

・ポリマーブラシ
ガラスなどの表面に高分子を化学結合させて作成した数十ナノメートルのブラシ。高い耐久性、防汚性や低摩擦といった性質を持っており、生体内に埋め込む医療材料のコーティングなどへの応用が期待されている。