BL12:高分解能チョッパー分光器 HRC

High Resolution Chopper Spectrometer

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概要

物質の性質は、物質を構成している原子の種類や原子の配置に大きく支配されていますが、さらに詳細を調べていくと原子や分子の振動、電子の軌道の運動などが大きく関わっている場合が少なくありません。例えば、電気抵抗がゼロになる超伝導は原子の振動を媒介として電子がペアとなることによって起きることが知られています。
BL12 HRCビームラインは、中性子が試料で跳ね返る(散乱する)際の速度変化から物質中の原子や分子の振動、電子のスピンや軌道の運動を測定する装置です。試料中の原子や分子はバネでつながれたような状態になっているため、中性子がぶつかるとバネにエネルギーが吸収されてしまいます。そのため、散乱した際の速度変化から原子や分子の振動を調べることができるわけです。特に、中性子の散乱を用いると原子や分子の振動する方向に関する情報が得られるため、その運動を観察することで、物質の性質とのつながりを詳細に調べることができます。HRCは、観察できる速度変化の精度(分解能)を向上させることにより、これまでとらえられなかった原子の動きを観察することを目指しています。
この装置はKEKと東京大学が共同で建設し、運営しています。

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