BL05:中性子光学基礎物理実験装置 NOP

Neutron Optics and Fundamental Physics

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概要

中性子は電気を持たない、寿命が長い、などの特徴を持っています。特にエネルギーがとても低い(=速度が遅い)中性子を「冷中性子」と呼ばれていて、「重力から受ける力」、「磁場から受ける力」、「原子核から受ける力(強い力)」が同程度という不思議な性質も持っています。
BL05 NOPビームラインでは、スーパーミラーという呼ばれる中性子を反射する特殊なミラーによって1本のビームラインを3本に分岐させていて、それぞれ以下のような特徴がある冷中性子ビームを作り出しています。
(1)低発散ブランチ:平行度の高い中性子ビーム
(2)偏極ブランチ:スピン偏極した中性子ビーム
(3)非偏極ブランチ:汎用の冷中性子ビーム
この装置では、それぞれのブランチの性質をうまく利用することで中性子自身の崩壊・散乱・干渉を調べられており、その結果からビッグバン元素合成に関する研究や重力の精密な測定などを行うことができます。

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補足説明

・ スピン
中性子はスピンと呼ばれる自転の量子数をもつ。スピン偏極した中性子ビームとは、このスピンがそろっているビームのことを指す。
・ ビッグバン元素合成
ビッグバンの直後、宇宙が冷えると同時にそれまで自由に飛び交っていた粒子は凝縮を起こしていく。中性子は約15分の寿命を持つため、宇宙に存在する陽子と中性子の割合は時間と共に変化し、合成される各元素の割合もこれに応じて変化する。現在宇宙に存在する元素の割合や中性子の寿命などから、こ の合成過程をひもとくことができる。