加速器冷却水中に生成するコロイド微粒子の状態分析

概要

加速器の運転中に発生する放射線により、冷却水中には放射性核種が生成されます。また、同時に冷却水中には、配管材料などを起源とする腐食生成物として微粒子やコロイドなどが生成することがわかっています。この微粒子やコロイドは、冷却水系統のフィルターの目詰まりなど加速器運転上の障害を引き起こすだけでなく、放射性核種を吸着、吸蔵し、そのキャリアーとして働くことがわかってきました。加速器施設を安全に運用するためには、このコロイド類の存在形態や化学的性質とその生成機構、また、これに吸着、吸蔵される放射性核種の挙動を理解し、適切な対策を取ることが重要です。

このような目的のため、様々な計測法を駆使して冷却水中の微粒子とコロイドの分析を行っています。たとえば、配管に純銅が用いられている加速器施設の冷却水では、フィルターに捕集される比較的大きな微粒子は、酸化第一銅(Cu2O)と酸化第二銅(CuO)の混合物であることが、粉末X線回折の分析結果より明らかになりました。また、フィルターに捕集されないような銅酸化物の微小なコロイドが冷却水中に多数存在することも化学分析より明らかにしています。さらに詳細なコロイドの存在形態や化学的性質の分析を行うため、水中の0.3nmから8mmのコロイド微粒子の粒子サイズの分布とその電荷を測定できる動的光散乱型ナノ粒子解析装置など最新の機器を用い、実際の冷却水や模擬冷却水を対象として解析を行っています。

image001.jpg動的光散乱型ナノ粒子解析装置