宇宙飛行士が受ける放射線の測定器

放射線科学センターは、加速器で用いる放射線と運転に付随して発生する放射線の安全管理を行っています。

目的・ビジョン

加速器周辺での放射線はエネルギーが高く種類も多く、宇宙線に似ている一面があります。このため宇宙放射線による被ばく測定のための研究も行っています。

概要

KEK放射線科学センターではJAXAと共同して固体飛跡検出器を用いた素子を既に開発し、国際宇宙ステーション(ISS)の日本人飛行士の被ばく測定用素子として2007年から実際に使用されてきました。

image002.gifのサムネール画像2007年から日本人飛行士が着用しているパッケージの中身 しかし飛行士が地上に戻ってから着用していた素子を解析して値を読む必要があるために、飛行中にリアルタイムで実測出来ません。この点、日米ロ欧の宇宙機関がスペースシャトル及びISS等にリアルタイム計測器を搭載しているものの、計測できる放射線の種類が限られていたり、測定精度が要求を満足しなかったりと、長期有人宇宙滞在にとって未だ十分な計測は行われていないのが現状です。

このため、KEK放射線科学センターでは様々な種類の放射線に対して高い測定精度を有するPS-TEPCと呼ばれる新しい計測器の開発をJAXAと共同して進めています。PS-TEPCは生体組織と同等とみなせるガスを用いたリアルタイム計測器であり、入射放射線の飛跡を完全に捉えることができるのが大きな特徴です。そのため、放射線がガス中を通過した長さを精度良く求めることができ、同時に計測されるエネルギー情報と合わせることで生体組織に対する被ばく量を高い精度で見積もることができるのです。

現在、2013年のISS搭載を目標に開発を進めています。

 image003.jpg開発中のPS-TEPC