測定器開発室セミナー「GEM型中性子画像検出器による物質情報3次元可視化技術の進展」

  • 分類 測定器開発室セミナー
  • 開始 2015/01/13(火)15:00
  • 終了 2015/01/13(火)16:30
  • 会場 4号館3階輪講室1
  • 講演タイトル
  • 講演者 佐藤 博隆氏 (北海道大学工学研究院)
  • 言語
  • 連絡先 mibe at post.kek.jp
  • ウェブサイトhttp://rd.kek.jp/seminar_01.html
  • 食堂・売店 利用予定なし/0

概要

物質・材料を透過してきた中性子のエネルギースペクトルを測定すると、数meV
から数十meVの領域において「ブラッグエッジ」、数eV以上の領域において「共
鳴吸収ディップ」という、特徴的な透過率プロファイルを観測することができ
る。これらをプロファイル解析することにより、結晶構造や金属組織に関する情
報、あるいは元素(核種)の種類や量、その原子ダイナミクス(温度)に関する
情報を取得することができる。近年、これら物質情報を評価する新しい手法とし
て、パルス中性子の飛行時間(TOF)分光法をベースとしたエネルギー分析型透
過イメージング法が、材料科学分野を中心に注目され始めている。これは、本手
法が各種物質情報を「大面積マッピング」できるユニークなものであることによ
る。この大面積マッピングを実現するためのハードウェアとして、中性子TOF分
析型画像検出器が必要不可欠なものとなっている。
 パルス中性子を用いた物質情報可視化技術の進展に大きく貢献してきた中性子
TOF分析型画像検出器として、KEK宇野グループにより開発が進められてきた
GEM(Gas Electron Multiplier)型中性子画像検出器がある。この理由は、パル
ス中性子イメージングで必要とされる検出器性能(検出面積・空間分解能・TOF
分解能・検出効率・最大計数率・安定性・S/N比など)が、いずれも高い水準に
あったためである。本講演では、GEM型中性子画像検出器の特性を活かすことに
よって進展することのできたパルス中性子イメージングに関する研究トピックス
として、小型加速器中性子源を利用した金属組織情報イメージング技術開発
[1,2]、ひずみ情報3次元可視化を目指した新概念テンソルCT法の実証[3]、J-
PARCダブルバンチ特性を考慮に入れた高精度核種定量分析法の開発[4]、日本刀
の結晶組織構造非破壊分析への応用[5]など、材料科学・画像工学・分析化学・
考古学に関わるアクティビティを紹介する。また、今後の中性子画像検出器開発
に対する期待・要望についても述べる。